旅立ち99
横殴りのフックは避ける事は出来だが、追撃のジャブを受け止めた腕が痛む。
そこからさらに、相手を追い詰めるワンツーのジャブを入れれば、オークよりも小柄な礼人は地面に沈んだであろうが、
『グウッ……』
鉄騎兵はワンツーを放つのでは無く、フックを放った拳を庇いながら後ろへと下がる。
「なっ…なにが!?」
鉄騎兵は敵からの攻撃で、中の液体が減って倒れはするが、痛みを覚えて後ろに下がるなんて有り得ない。
(一体どんな方法で!?)
どんなカラクリがあるのか、驚愕するのと同時に、
(まさか……本当に?)
目の前で光る羽を広げる少年が、本当にアフレクションネクロマンサー様なのではと脳裏によぎったのだが、
『グゥオゥァァ!!!!』
一度は後に下がった鉄騎兵が、勢いを付けて一気に詰め寄る。
それは勇ましくも見えるが、どこか恐れて…子供が得体の知れないモノに、がむしゃらに立ち向かうようでもあった。
「そう何度も!!」
殴られた腕がじんわりと痛むが、防戦一方になる訳にはいかないし、
『ヒュッ!!』
相手が霊体なら、霊力の刃を作り出してムチのようにしならせてやれば、距離が離れている分だけ、
『グオッ!?』
こちらが有利に相手の足を切断出来る。
礼人が作り出した霊力の刃は鉄騎兵の鎧を無視して左膝を切り、鉄騎兵はそのままバランスを崩すのだが、
『グォォォォ!!』
鉄騎兵は雄叫びを上げながら、そのまま転げながら礼人の方へと突進してくる。




