旅立ち95
それは、決して知られてはいけないこと。
あれから鍛練を積んだとはいえ、その状態では鋼鉄の巨人1体を何とか仕留める事しか出来ない。
それでは後ろに控えている鋼鉄の巨人に、大した敵ではないと判断されて殺されてしまうだけで根本的な解決にはならない。
ならばいっその事、力を見せないで力量を見せないで、相手を牽制する方が賢い。
ここで打つ一手は重要で……
(どうする…どうすれば……)
絶望的な状況で、玉砕以外の選択肢は無いように思えるが、あの時から諦めないと決めたのだ。
こちらから向かわなくても、終わりの方からやって来て死を告げる時が来るというのなら、終わりが死を告げに来るまでの時間で生き延びる方法を探して、最後まで抗う。
相手はまだ、高まる力を値踏みしている。
これはテレビの中のゲームでは無いのだ。
死んだら生き返ることは無い、死んだら終わり、相手が何かをしているのが分らないという状況は、二の足を踏ませるのに充分な力がある。
(なんとか…なんとかしないと……「って!?」
残り少ない時、なんとかする答えを出そうとしていた時、いきなり自分の体が後ろに引っ張られ、
「聞きなさい!!こ…この人はアフレクションネクロマンサー様なのよ!!えいゆ…英雄なの!!みんなの……みんなの未来のために!!希望のために戦ったアフレクションネクロマンサー様を殺すというの!?」
倒れこむように抱き締められたかと思うと、叫び声が聞こえた。




