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旅立ち85
目が暗さに慣れていないために、何があるのか分からず、マナを光に変換させて周囲を照らそうとしたが、
「うっ……」
異世界に来るまでの間と、ここでの制裁を行ったことで力を使い過ぎ、
(休むしかないか……)
ここがどこなのか、自分の事を問答無用で殺そうとするモノがいて、赤い怨念の液体の上で……
「これは寝れないな……」
床の上にへたり込んで頭を垂れて、自分が思った以上に疲労している事に、
「よく生き延びた……」
普通の人間、並みの霊能者なら、ここに来るまでに死んでいる。
ここまで疲労困憊で来れたというのは誇って良い、体を打ち付けた時の痛みすら生を実感出来て心地良い……
少し休んだら、サバイバルキットからマナの粉末を飲もうと心の中で決めた時、
「アフレクションネクロマンサー様……」
自分の名前ではないが、アフレクションネクロマンサー「様」と呼ぶ女性の声が聞こえた。




