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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち74

一応、目の前の怨念を消滅させないで、向こう世界に入れないか手を伸ばしてみるが、


(((ああぁああぁっぁああぁああぁぁあっぁあっぁぁ!!!!!!)))


「ダメか……」


礼人の手に憑りつこうと、幾重もの怨念が声を重ねて叫び声を上げる。


「可哀想だけど怨念に、これ以上私達の世界に来られても困るからね」


さっきとは打って変わって顔色一つ変えずに力を高め、


「行くよ」


自分達と繋がる赤いサンゴ礁の根元の怨念を消し去り、次元の海に落ちる前に異世界に飛び込む。


そして、異世界と繋がっていた根元から消されたサンゴ礁は次元の海で、噴水するホースのように無軌道に赤い液体を次元の海に撒き散らしながら、消滅していくのであった。


_________


「落ちる!!」


礼人の初めての異世界の感想は、落下であった。


「重力が!!」


それは長い時間、異次元の無重力に慣らされたからこその感想。


視界は真っ赤な怨念に包まれているが、体は引かれていく。


視界を奪われ、自分が何処にいるのか分からないのに体だけは吸い込まれる。


この感覚は、初めて空を跳んだ時の感覚に似ていたが、


「嫌な感覚!!」


それよりも、大きな鯉に黒い海の底に引き摺り込まれそうになった感覚を思い出してしまう。


「力を!!」


怒鳴り声を出すことで、精神に掛かる負担を減らしてパニックにならないようにし、無理矢理にでも思考を回していく、


「私は跳べるんだ!!」


礼人は自分自身に出来る事を再認識させ、霊力とマナを融合させるのではなく、ぶつけ合って一気に出力を高めて重力に抵抗する力場を作り出そうとしたが、


(こち…らへ……)


「リミィか!?リミィの仲間なのか!?」


(ちか…よわ……めて…)


こちらの世界で待っていてくれていた魂、それはリミィの息の掛かったモノなのだろう。


言われるがままに力を高めるのを止めると、


(かんじて……)


「……っ!!」


背中の羽が流れを感じる。

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