表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
256/1400

旅立ち57

ビレーがここまで来れたのは指揮官として、年長者としてみんなを故郷に帰らせるという使命感があったから。


しかし、それは裏を返せばビレーだって使命感が無ければ、怯えて震えたい。


心の底には、こんなのはただの悪あがきで、いっその事みんなで自害した方が楽になれるのではないのかと、思いが渦巻いている。


自分の中で無謀な事だと思っていることを、自分の判断で現実に実行しようとすることへの苦しみ……


リーフだって、そのことは十分に理解しているはずのなのに、


(アフレクションネクロマンサー様か……)


健やかに笑えるのは、アフレクションネクロマンサー様という存在のお陰なのか?


普段からアフレクションネクロマンサー様を狂信的なまでに崇拝している訳でも無く、物語の中の英雄くらいの憧れは持っていたであろう。


さすがに、今のリーフ程にアフレクションネクロマンサー様を信じる事など出来無いが、それでもリーフが前に進むというのなら進むしかない。


最後の口火を切る役目を担うはずだったビレーに変わり、リーフがみんなの前に出て。


目の前の剝き出しになっているレンガの中には、下の方に一か所だけへこんでいる部分があり、そこに指を掛けて、


「ここのレンガがつっかえ棒になってて、これを外すとこの壁をドアみたいに開閉する事が出来るの。この先は誰もいない前のままの武器庫かもしれないし、改築されて敵の駐在所になってるかも……」


この先に希望であるアフレクションネクロマンサー様がいるはずだが、それよりも現実的な敵がいる。


自分達が、希望を掴むためには現実と向き合わないといけない。


最後の確認。


みんなの顔を、目を見て、自分の選んだ道をみんなが信じてくれている。


「ありがとう」


まるで、最期の別れのような言葉で縁起が悪いようであったが、それでも、自分の事を信じて付いて来てくれたみんなに、お礼を言いたかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ