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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち54

それから洞窟の中を進んで行くリーフ達、中は自然に出来た物を利用したためか岩が盛り上がっていたり、地面がへこんでいたりと足元は悪く、所々でしゃがまなければ進めない所や講堂のように広くなっている所を通って行く。


こんな所を、誰の案内も無しには進むことは出来なかっただろう。


道と言えない道を進み、行き止まりに見えて実は登る所を登り、入り込む時と同じように岩のパズルで塞がれていた道を開けて進んで行く一行。


それはまさに順調と言える物であったが、


「…………」


ビレーだけは嫌な物を感じていた。


ビレーとリーフ以外のみんなは、初めての抜け道を通るのに集中しているため、他の事を考える余裕が無いだろうから気付いていないが、ビレーの予想では抜け道の中に見張りの鉄騎兵が何体かはいるだろうと予想していた。


そもそも、この抜け道というのはいざという時に逃げ出す為のもので、そのいざという時というのは、敵の猛攻に負けて敗走する時に使うのが一般的。


ならば、敵に拠点を奪われたという事は、仲間が逃げる時に抜け道を使用して敵に抜け道の存在はバレていると考えるのが自然である。


それでも、この抜け道を使う判断をしたのは、正面切って拠点に攻め込むよりかは抜け道の方がマシだという判断と、抜け道は天然の洞窟を使用しているためいくつかの出口が存在し、その中でも今回使った場所は手が込んだ場所であったため、バレていない可能性があった。


現に入り口の岩で出来たパズルには動かされた形跡は無く、多分だがこのルートは無事なのだろう。


しかし、拠点に入り込むための入り口は一つだけで、入り口に近付けば近付く程に道は集約し、他のルートで配備されている鋼鉄の巨人と相対することになると思っていたのだが、それが一切無い。


もし、この抜け道を知っている者がいるから使いたくないというのなら、潰しているであろうし、逆に利用するといのなら鉄騎兵を警備に配置するであろう。


なのに、この道はどちらでも無い、まるで敵にいまだに抜け道そのものが知られていないかのように手付かずなのだ。


ビレーは、この間違い無く感じる違和感を背負いながら進んで行く事に、みんなを騙しているようで罪悪感を感じるが、


「皆、そろそろだぞ」


それでも進まざるを得ない状況なのだから、仕方無いのだと自分を納得させて、遂に拠点へと入り込む場所へと辿り着くのであった。

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