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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち49

折角、ビレーとリーフの覚悟に腹を括ったというのに、これでは水を差すようなマネになってしまうが、アフレクションネクロマンサー様を探すのと、食料を奪還するのでは、どちらも無謀な行いに見えるかもしれないが、ここには雲泥の差があると言っても過言ではない違いがある。


先程から敵の拠点と敵の拠点と何度も言ってはいるが、実はこの拠点は敵に奪われたもので、元は自分達の拠点だったのだ。


奴等は戦争を仕掛ける前段階で、敵味方問わずに多数の拠点を襲撃して物資と領地を奪って戦力の増強を行い、本国の末端でしかなかった小国が戦争を行えるまでに成長した。


だが、彼等の行った成長はいわば付け焼刃。


敵の拠点を奪ってそのまま使用するということは、拠点の攻め方や弱点はもちろん、抜け道だってあるのである。


リーフ達は運が良い事に、目の前の拠点で任に付いたことがあり、その中でも一部の者しか知らない抜け道を知っていて、そのお陰で忍び込むルートから、食糧庫の場所までの道を想定することが出来る。


それに対してアフレクションネクロマンサー様は一体どこにいるのか?


拠点の中央?東西南北のどこかの塀の側?それとも運良くこれから自分達が行こうとしている食糧庫?


シュレディンガーの猫の話みたいに、調べなければアフレクションネクロマンサー様はどこにでもいるという訳にはいかない。


アフレクションネクロマンサー様は1人、どこかの一か所にしかいない、それを敵兵がいる中をウロウロと探し回らなければならない。


同じ拠点の中に忍び込むという話でも、どこにいるのか分からない人を探し回り続けるのと、場所が分かっている所に向かうのでは、話が違う。


「撤退の合図は音だけでするね。空に打ち上げている暇は無いかもしれないから」


「姫!!護衛に付きます!!皆で行きましょう!!」


「ううん…さっきもビレーが言ったけど、アフレクションネクロマンサー様も大切だけど、食料も必要なの……私、凄くお腹空いてるから、一杯食料を持って来てね」


「…………」


「良いか皆?合流地点は昔のままだ。覚えているな?敵が近付いて来ている気配を感じたら私とリーフの合流を待たずに先に行くんだ」


アフレクションネクロマンサー様を探すのは自分に任せろというのは、自分達の身を案じ、最悪姫達を見捨てて自分達だけは助かれと言っているのだ。

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