旅立ち48
死が自分達の側で息を潜めずに吹き掛けて来ている現実を、みんなに突き付ける形になっても、黙って静かに自分の話を聞いてくれているのは、
「リーフ……私達二人だけで、アフレクションネクロマンサー様を探しに行く……本当なら、お前だけは先に合流地点にいて欲しいんだが……」
「大丈夫です。おじい様……私が探さないと見付からないと思うから」
そう、本当なら敵の拠点を探し回る等という自殺行為をリーフを連れて行くなどありえないが、あの赤く染まった空の中でアフレクションネクロマンサー様を見る事が出来たのはリーフだけ……
ならば運命があって、アフレクションネクロマンサー様に導かれたとしたのなら、アフレクションネクロマンサー様を迷う事無く見つけ出せる可能性があるのはリーフだけ……
こんな危険な賭けをフレンの娘であるリーフにさせたくは無いが、希望に触れたのはリーフだけなのだ。
「それならば、アフレクションネクロマンサー様を探す班と食料奪還する班を分け……」
「食料を調達するのも、我々が生き延びるのに大切な事だ。引け目を感じる事は無い」
リーフとビレー隊長に、一番危険な目に合わせる訳にはいかないと、腹を括った部下が、アフレクションネクロマンサー様を探す班と食料を奪還する班で分けようと提案しようとしたが、それをビレーは却下する。




