旅立ち43
しかし、ここから先は銀の光の庇護は自分を守ってくれないかもしれない、ここから先を進むには……
「リーフ!!」
「姫!!」
「みんな……」
「火を消せ!!すぐ移動だ!!」
リーフに追い付いたビレー達は、敵に見付かってはいるが、これから行方を眩ます為にも火を消し、その場から離れようとしたが、
「待って!!」
「事情は後で伺います!!」
「聞いて!!」
「姫!!ここは危険です!!」
「あそこにアフレクションネクロマンサー様がいるの!!」
アフレクションネクロマンサー、物語の中の英雄の名前を聞かされた途端、みんなの目がはっきりと丸くなった。
それは、みんなの共通の認識で共通の希望。
アフレクションネクロマンサー様は、我々が危機に瀕した時に現れ、共に戦い抜いた英雄で物語としてしまわれてしまっていた存在だが、実在した人物。
決して夢物語では無いが、幻のように現実味の無い存在。
「……それは本当なのかい?」
この危機に瀕している状況で姫が……リーフだけが感じ取っている。
もしかしたら、極度の疲れと緊張感からリーフが幻覚を見ている可能性もあったが、この赤い空の下で長く滞在した者の特徴として出る、皮膚が赤く染まる現象が治まり。
顔には生気が宿って、リーフの中に巣くっていた穢れた赤いモノを感じられなかった。




