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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中24

「…………」


不安がよぎる。


礼人の霊能者としての第七感はまだまだあてにならないが、それでも今までに感じたことが無いほどに嫌な予感がする。


もしかしたらそれはアニーが感じていている予感が、霊力を通して礼人に共鳴させているのかもしれない。


拭い切れない不安……それが起因して周りに漂っていた霊力が急速に薄まってしまうが、


「ほらっ、しっかりしなさい。せっかく私が教えているというのに、まだまだ出来るでしょ?」


アニーの言葉によって、余計な事を考えさせられないようにされてしまう。


「…………」


何も言えない…聞くのが怖い……そう思った時には、強く目を閉じて霊力の霧に集中する。


光の届かない夜、そこで目を閉じれば景色が消える。


光が伝える陰影が一切無い暗闇の世界。


しかし、霊力の霧が自分の周りにあるものを理解させる。


余計な事を考えないように意識を霊力の霧に傾けていた時であった。


(……?)


霊力の霧が突然、風に吹かれる。


自分の意思とは関係無く。


霊力という摩訶不思議なものが風の影響は受けるのかというと受ける。


霊力というとオカルトの話に聞こえるかもしれないが、あくまでも霊力は人間が産み出したエネルギーである。


エネルギーである以上は質量は存在し、質量がある以上は周りの影響を受けるのは当たり前で、特に今回は霊力を霧状に散布し、散布した霧自体も濃度は濃くは無い。


少し風が吹いただけでも、雲散霧消うんさんむしょうという言葉のように消えてしまう代物であった。


流れていく自分の霊力、それすらも感じることが出来る。


行くがままに、逆らうことなく霊力の流れを感じていた時であった。


「…………?」


何か変な違和感を感じる。


確かに自分の霊力の霧は勝手に流れていく、自分の意思では無く周りに流されて……けれど何かがおかしい……


礼人は感じる違和感に逆らうのではなく、逆にその違和感を感じる霊力の部分に集中する。


(何なんだろう?)


確かに流れには乗ってはいる……けれどそれは春に吹く頬を撫でるような柔らかい風ではない。


(流れに乗って?……違う、この感覚は⁉)


「二月さん、獲物が掛かりましたよ!!」


礼人がこの謎の違和感に気付いたのと同時に、アニーが大きな声を上げるのであった。

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