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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち39

自分を侵食し、自分になり替わろうとしていた赤いモノが四散した時、


「リーフ!!目を覚ますんだリーフ!!」


「姫!!お気を確かに!!」


自分を呼ぶ音が聞こえて目が開き、ビレーとみんなが自分を覗き込んでいた。


リーフは一体何があったのか?と呆けながら目の中に映るみんなを見て、耳の中に入って来た音が、声だっだんだと思いながら、


(銀の光……)


夢の中で見た、赤く染まりながらも求めた銀の光を見付けようと立ち上がって、赤い空を見上げる。


本当の空を隠す、偽りの赤い空。


全てを覆い尽くす赤い空を、飛んでいく銀の光なんてあるはずが無い。


きっと、自分が望んだ幸せな夢を見たいという思いが、最後に奇跡を起こして、侵食された赤い夢の中でも銀の光を見ることが出来たのかもしれない。


リーフはせめて、この余韻を味わいたいと絶望しか広がっていない赤い空を、夢の中のようにぼんやりと……


「あっ……」


ぼんやりと眺めようと赤い空を見上げた時、銀の光が赤い空を流れ星のように飛んでいるのを見付けた。


夢じゃなかった。


赤い空を駆ける銀の光を見つめていると、呆けていた意識が次第にハッキリとして来て、


「……みんな!!あれを追い掛けて!!」


「待ちなさいリーフ!!」


「姫!?」


完全に意識が戻った瞬間、リーフは手の中でマナをランタンのように光らせて、みんなの声を置き去りにして走り出す。


夢の中と同じように森の中を走るが、現実の世界では赤いモヤが視界を奪い、足が赤く染まってもつれることは無い。


見渡しのきかない森の中を、リーフは自分の手の中で光るマナを頼りにして地上を駆けて行く。


空を駆ける銀の光を追い付くには、同じように地上を駆けないといけないのは分かるが、現実の世界では赤いモヤが自分を奪い取ろうとしては来ないが、


「リイィィフウゥゥゥゥゥゥ!!!!」


リーフが走った先から、鉄騎兵が姿を現す。

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