旅立ち31
これで、リミィの望んだ。
世界を救う英雄、アフレクションネクロマンサーを自分の世界に連れ込む事が出来たのだが、
(潰せせぇえぇえぇえぇぇぇえええぇえぇっぇぇえええ!!!!!)
リミィと敵対している魂は、礼人が通った道を押し潰すように怨霊達に命令を出してくる。
あくまでもリミィの仲間は、アフレクションネクロマンサーを自分達の世界に連れて行く為の道標、彼等にそれ以外の事を求めてはいない。
ここからは自分の役目、本来ならこの世界を守るはずだった彼に変わって、
(そんなこと、私が許すと思って?)
彼がやるはずだったことを自分が成り代わり、
(キサマ分かっているのか!?マナが無ければお前など単なる傲慢な無能だという事を、分かっているのか!?)
(もちろん分かっています。元の世界では、もう私は役に立たないから、この世界のアフレクションネクロマンサーになりに来たんですよ?)
リミィはこの世界のマナを吸い上げて自分に取り込むと、満面の笑みを浮かべて、
(アナタには実力も無く、結界の中にいるから気付かないかもしれませんが……この世界のマナがあれば、自分のやりたいことを押し通して言う事を聞かない、悪名高き聖女リミィに戻れそうです)
結界の中という逃げ場の無い中を無慈悲に光で満たすと、
(ぎゃあぁああぁあぁぁぁぁぁぁあぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!)
結界の中という逃げ惑うことが許されない中で、光の炎に包まれた怨霊達が熱さに耐え切れずに叫び声を上げる。




