旅立ち30
(私の仲間達がアナタを向こうまで送り届けてくれます!!)
礼人の抗議なんてなんのその、リミィは自分の霊体となっている足にマナを込め、
(もしも、私達が気に喰わないというのなら、私達と敵対して貰って構いません!!自分の思うままに生きても良いです!!英雄としてでなく、ただの人として生きて良いです!!)
「だったら、この世界に残ります!!」
(それはダメです!!)
「あっ!?」
口論で意識が疎かになっていた礼人の足を蹴り飛ばし、
(アフレクションネクロマンサーを連れてって!!)
(わか…りました………)
結界の一部を開放すると、裂け目から赤い手が伸びて来て礼人を捉える。
普段なら軽くひねるように退治出来る怨霊も、リミィに制御されているせいでそれも叶わず。
(向こうの世界に着いたらリディ!!リディを頼りなさい!!)
「それは誰ですか!?」
(私が死んだ後に国を治めている友です!!)
「あぁもう!!どうなっても知らないですからね!?」
(はい!!こちらの世界は私に任せておいてください!!)
結局、礼人はリミィの仲間の怨念に引きずられて、赤い裂け目の中に入って行くのであった。




