旅立ち23
(良いですか?あなたがアフレクションネクロマンサーを探すために放った鉄騎兵は、礼人の大切な人を殺しました。それは彼の中に鉄騎兵を作った奴は悪で、自分はそれを討つという絶対的な正義を植え付けたでしょう)
「はい……」
(鉄騎兵を作ったという話を切り出した時点で、彼は怒りのままにアナタに立ち向かうでしょう……そうしたらアナタは全力で立ち向かってあげて下さい)
「……自分が何を言っているのか分かっているのですか?」
アニーと名乗った魂から言われた事は、予想外の言葉であった。
平身低頭、心の底から謝って、最悪の場合は自分を差し出せと言われるかと思ったのだが、
(えぇ、何を言っているか分かっていますよ。今頃は鍛錬を積んでアフレクションネクロマンサーと名乗るのに相応しい力を手にしようと努力しているでしょうが、努力は必ず実るものじゃないでしょ?)
「そうですね……」
(努力実らず、アフレクションネクロマンサーとして不十分な存在ならば、この世界に来ないで、自分の世界で優れた霊能者として生きる方が幸せですから)
アニーと名乗った魂は余程、礼人という子が大切で、自分にこの世界に連れ込んで生きていけるか、アフレクションネクロマンサーとやっていけるか見定めて、ダメならその場で諦めろというのであった。




