表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
214/1400

旅立ち15

どういうことなのか、何があったのか?


全てを聞き出したい、何から聞けば良いのか声が喉で詰まって出て来ない。


口をしどろもどろに歯を震わせて、なんでも良いから、声じゃなくて音でも良いから口から何かを出したかったが、


(私がそちらに……)


「…………っ!?」


しどろもどろになって声が出ない自分を見かねてという事では無いのだろうが、赤いモノの中から一筋の白く輝く光が現れたかと思った時には、一筋の光は輪郭のぼやけた人の形となり、輪郭のぼやけたマネキンみたいな姿になったと思った時には、


「……初めまして」


目の前にはショートヘアーに丸みの帯びた瞳、少し瘦せているが美しい一人の女性が立っていた。


(これが本当に魂なのか……)


礼人は目の前にいる、リミィと名乗った女性の魂にゾッとしていた。


それは彼女の美しさに、心を奪われたからではない。


この赤い怨霊の中を通ってもなお、生前の姿になることが出来る……


それだけで相当な人物だったのだと分かるし、にこやかに笑って見せてくれてはいるが、死んでいるにも関わらずに喜怒哀楽の表情を表してくる。


礼人は結界を張りながらも身構えると、


(そんなに警戒しなくても、大丈夫ですよ)


リミィは目の前で、毛を逆立てる猫のように身構える礼人に、柔らかな笑顔で敵意が無いという事を伝える。


話をしたい……相手がその意思を示しているとはいえ、身構えるのを解く訳にはいかないが、話を聞かないという選択をするのも間違ってはいるだろう。


「ご用件をお伺いしたいのですが」


(私達の英雄……アフレクションネクロマンサーに私達の世界に関わって頂きたいのです)


「アナタ程の人がいるのに、自分が必要なんですか?」


(私はもう死んでますから、出来る事は限られて時間も限られています)


「……失礼を」


(平気ですよ)


目の前にいるリミィが、あまりにも生者のように立ち振る舞うので、彼女が亡くなって魂になってしまった存在だというのを忘れて、愚問な応えをしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ