夢の中21
そう言うとアニーはボールを持つように両の手を広げ、
「私は神父なので、本来は霊力では無くマナを魔力にするのですが……両の手から湧水が溢れるようなイメージを持って霊力を放出させます。そうしたら今度は湧水から溢れた霊力が霧のように拡散していくイメージ……これで出来るのは周囲の状況を霊力によって知ることが出来ます」
目を閉じながらイメージだけの説明をするのだが、その雰囲気と動作はまるで実際にやって見せているようであり、アニーの姿に休憩していた者が息を呑んで見ているのであった。
少々俗な言い方だが、これはアニーの切り札。
マナを魔力に変えた霧、自分の体の中に取り込んだマナを魔力として放出させて周りの生命や霊を感知する技。
隠れて自分達に奇襲をしようとしている相手を離れた所から見つけ、何が起きるか分からない場所で闇雲に探索をしないで済むというのは、自分の身を危険に晒さない済む。
聞いただけではありふれた能力に思えてしまうかもしれないが、
「放出した霊力の霧は自然と消えていきますがそれは当たり前の話、霧のように細かい霊力では力を蓄え続けることは出来ません」
ここから先はアニーを含めたほんの少しの霊能者しか出来ない奥義。
「放出した霊力の霧に常に霊力を送り続けることによって霊力の霧を常に張り続けることが出来て、しかもそれによって霧が濃霧になる……そうすることによって」
ここで、アニーは目を開けて自分の事を凝視していた皆に視線を送り、
「相手の位置だけでなく一挙手一投足を感じることが出来るようになる……ですよね」
「それが出来るようになれば、一歩も二歩も先に行く霊能者になれるな」
この術を使えるだけでも精鋭として周りから扱われる。




