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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち4

赤い液体が噴き出るシャワーを無造作に投げ出すが、赤い液体をもろに頭から浴びてしまった礼人は霊力を高めながらリビングに走って戻り、普段から常備してある聖水を頭からかぶって赤い液体を洗い流す。


「なんなんだ!?」


自分達、霊能者が住むこのマンションはいわばパワースポット、並みの悪霊ならここに近付こうとすらしないのに、シャワーから怨念の塊が流れ出てきた。


どうしてこんな状況になっているのに、誰も騒がないんだと不思議に思ったが、壁に掛けてある時計が目に入ると、


(……随分眠っていたんだな)


時計は深夜の3時を指し示している。


この時間では、仕事が終わって戻って来たみんなは、布団の中で眠ってしまっているのは当たり前の話。


だが、この状況は不幸中の幸い。


連日での除霊でみんなヘトヘトで、礼人だっていつも通りに夜中に帰って来ていては深夜に目が覚める事は無かった。


髪に触れた赤い液体が気持ち悪かったが、この状況を対処するのが最優先。


気持ち悪いのを我慢して、本部と繋がる黒電話のホットラインで連絡を取ろうとした矢先、


(礼人……)


「えっ……」


窓の外から声が聞こえた。


礼人が住んでいる場所はマンションの最上階、そんな所で人の声が聞こえるはずは本来無く。


それは寝起きの脳が聞かせた幻聴か、空き巣にベランダまで登って来た泥棒か、


「嘘だ……」


わざわざ霊能者達が住まうマンションへと近寄って来た霊なのだろう。


寝起きの脳が聞かせた幻聴なら頭を働かせ、空き巣に入ろうとしている泥棒なら警察を呼び、自分の所へと彷徨って来た霊だというのなら成仏させるだけの話なのだが、


(礼人…行きなさい……この世界を救う為にも君は行かないといけないのです……)


「アニーさん……」


礼人は自分の中に入って来た声に、震えた声を漏らしてしまう。

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