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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち2

(これじゃあ、この世界がおかしくなってしまう……)


地上では、どこにも行けなくて潰れてしまった魂が小さな水溜まりとなり、その上を何も知らずに走り回り、殴り合い、殺し合う者達がいる。


鋼鉄の鎧を着たモノは、その小さな水溜まりを踏みしめる度に力を増していくが、肉の体を持つ者はその小さな水溜まりに触れるだけで体を穢されていく。


このままでは、体ある者が死んでいくのも時間の問題、体ある者が死んでしまって魂となってこの世界を悪化させるのも時間の問題。


(どこかに還る場所か、避難する場所は無いの?)


白い瞳で見渡す地上は、絵の具の付いた筆を振ったかのように、どこもかしこも赤い飛沫が散らばっている。


狂ってしまっていく世界、自分の住んでいる世界ではないとはいえ、この惨状を黙って見ていては気分が悪い。


どこかに、この惨状を治めるものが無いのか?そう思いながら世界を見渡していると、


(あれは何だ?)


赤い空を吸っている所があった。


________


「……どこの世界なんだ」


礼人は夢から醒めて天井を見上げ、見ていた世界に思いを馳せる。


おぞましい世界、魂の循環が行われていないのに次々と命が消えていく。


あれでは、あの世界の生者はまともに生活なんて出来ないだろう……


人面犬に口裂け女、テケテケやメリーさん……日本の昭和の時代には妖怪ブームと言われて有名な妖怪や幽霊がいたが、あれは度重なる戦争の繰り返しで亡くなった人の魂が循環出来なくなってしまって起きてしまった現象。


第二次世界大戦において日本では空襲に始まり、核を使われ、沖縄への進行、その後の終戦した後でも、まともな生活が出来なくて……日本では亡くなった人達の魂が溢れ返って黒い海で受け止めることが出来なくなってしまっていた。


その結果、黒い海と地上の境界線が無くなり、大きな鯉は地上に出て来て手当たり次第に魂を捕食すると様々な妖怪を産み出す。

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