異世界35
「自陣に撤退するぞ!!」
血が臭うという事はそれだけ大量の血が流れたという事もあるが……
「もう遅いわ」
離れた場所まで血が臭うという事は、数日は日にちが経って血が腐って臭いを漂わせていることになり、
『『ガシャガシャガシャガシャ』』
数日あれば兵士達を茂みの中に隠すのは容易いことではあるが、
「なんだこいつらは!!」
自分達を囲む兵士達はオークと、
「鉄騎兵よ」
そこにはオークよりも大きい鉄の巨人がいた。
そこからの事は筆舌し難いものであった。
ピクニック気分で来ていたリザードマン達は、軽装なうえに装備品は整っておらず。
オークのハンマーが容赦無く振られると、リザードマンの体は『ぐにゅ』っとくの字に曲がって吹き飛び、そのまま口から赤い泡を吹きだしてピクビクンっと痙攣する。
そして、鉄騎兵と相対してしまった者は、鉄の巨体に見合った大きな手で掴まれてしまい、
『ベキンッ!!』
力のままに骨を砕かれて死んでいったのであった。
冷戦状態で平和な時間が流れていたにも係わらず、第三勢力が現れたが故に冷戦は終わりを告げて、戦争が再燃したというのに、
(このままでは世界が滅びてしまいます……どうか、私達と共に新世界を造って欲しいのです)
自分達を虐殺しておいて、どの口がほざくのかと思った。




