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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界
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異世界33

肩の中に新たに追加された、薄羽を模した刃物を展開する。


トカゲの形態になると、どうしても地面に伏せる形になってしまい、腕も足になってしまう。


完全に移動に特化してしまうこの姿、攻撃方法の無いこの形態は良くないと、我らの指導者が薄羽の刃を備え付けるようにと判断した。


油断してこちらから意識が離れている隙に、背中から伸びた薄羽をオークに狙いを定めて一気に駆け抜けると、


「ぐおっ!?」


腕を裂いたオークから驚いた声を鳴らした。


(これは素晴らしい)


戦うことよりも高速で移動することを主体にした形態で、敵に対して攻撃が出来る。


今回はオークの腕を切ったことによって、このオーク達はハンマーを振る時に

嫌でも影響が出る。


これによって追撃の手が緩むのは明らかであり、もう少しこの体を把握出来れば……


「うぉぉぉぉぉ!!!!」


一体のオークが雄叫びを上げて自分へ向かってくる。


自分へと鬼気迫るオークを確認した鉄機兵は避けるのではなく、薄羽を可動域限界まで高く上げる。


この新しい体を存分に試すチャンス。


オークが視界一杯に迫る。


もしこれが貧弱な体であれば、迫るオークに恐怖を覚えて足もすくむかもしれないが、こちらは鉄の体であり、オークが視界一杯に見えるのはこちらが地面ギリギリを這って見上げているから。


こちらが不利な条件は何もない。


迫るオークに合わせてこちらも接近すると、オークはハンマーで殴りつける絶妙なタイミングの間合いに入ったのだろう、大きな動作でハンマーを持ち上げる。


それは戦場で何度も見てきた動作、オークが一撃必殺の攻撃を放つ時に見せる動作。


「くたばれぇぇぇぇぇ!!!!」


雄叫びを上げるオークは、自分の方へと一直線に突っ込んでくる鉄機兵に物怖じすること無く相対し、我が身から放つ最高の一撃を撃つためにハンマーを天高く掲げる。


オークの渾身の一撃、それが当たれば間違い無く目の前の小さな鉄機兵は、その威力に耐えること無く、鉄の体をグチャグチャにした紙のようにひしゃげる。

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