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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界
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異世界27

しかしなぜ、旧式の鉄騎兵を忍び込ませる事をしたのか?


敵に侵入されたと我々にパニックを起こさせるため?


いくら強固な拠点でも内側から崩壊してしまえば、内側から崩壊した勢いは押し寄せる波となって、外にいる仲間を飲み込む。


それか、城の中の視察?


城の中の造りはバレているかもしれないが、現在の兵士の数や兵糧に物資等の内情を知れば、攻め込むべきなのか、様子を見るべきなのかを判断することが出来る。


どちらにしても、戦う事が目的というよりは、我々に対して不利な状況に陥れる為と考えれば、確かに古い鉄騎兵でも十分に役目を果たせる。


そんな健気に自分の任務を忠実にこなす古い鉄騎兵を見て、


(敵も内情は苦しいのか……)


フレンは敵方の懐事情を測る


こんな古い鉄騎兵を利用してまで、奇抜な策を講じるというのは正面からやり合い続けるだけの力が無い事を証明し、さらに言えば鉄機兵とて物。


物であり戦争で消費している以上は鉄機兵を作る材料が少なくなり、古い、旧式の鉄機兵を戦場に送り込むことも想像に難くない。


「エルフ隊雷球用意、オーク隊そのまま」


あれこれと思う所はあるが、とにかく冷静にだ。


あちらとてエルフの雷球が見えているだろうに、お構い無しにガシャガシャと鋼の体を鳴らしながら鉄機兵は迫る。


鉄機兵が近付く毎に影は薄れて姿を見せる。


まるでウサギのような細長い顔に細長い耳、けれどそこには目と鼻はない。


少し細長い赤い手足に赤い体、少し頼りない体を守るように胸や腕や脛等の部分部分に鎧が付けられている。


やはりその姿は旧式の鉄機兵そのもの、強いて違う所を言えば背中や腹の部分に鎧が増やされている所であろうか。


「……難儀だな」


後方支援で使われるような旧式の鉄機兵を再利用してまで使わないといけない状況に、自分達の台所事情が重なり、一瞬同情してしまったが、


「遠慮することはない…か……サンダーボール撃てぃ!!」


これほどの好機はない、せっかく頼りない台所事情で送って貰った食事だ、遠慮無く食べさせて貰おう。

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