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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界
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異世界21

我が城、その中を慎重に歩くということの情けなさ。


城というのは攻めの要でもあり、守りの要でもある拠点である。


戦いの起点になり、補給の起点にもなる、その城にまんまと侵入されるとは……


敵が城に侵入した……その事実があるだけで兵士達はこれから城の中を移動するのに身構えなければならない。


それは敵が城の中に侵入して隠れているかもしれない恐怖、敵がいつでも侵入出来るほどに軟弱な城に対する不安、または強固な城だとしても侵入出来る敵……


何とか敵を退けることが出来たとしても、しばらくの間はこの城は拠点として機能させるのは難しいだろう。


しかし、それでも戦場で戦っている仲間達が帰ってくる場所はここなのだ。


戦場で戦っている仲間達が生き残っているというのなら、この城を放棄する訳にはいかない、敵が侵入したというのなら何が何でも始末しなければならない。


鉄の擦れる音が聞こえる先を目指し、皆で気を張りながら進む。


向こうの先から聞こえる鉄の擦れる音の具合からして、ここに向かって来ているのは一体であろう。


強靭な鉄機兵といえど、数の暴力には抗えない。


相手が一体の鉄機兵だけなら間違いなくこちらが勝つ……勝つだろうが被害が出ない保証はない。


数的有利はあっても楽観視は出来ない。


慎重に敵の所へ歩を進める矢先……


『ガシャ……ガシャガシャ…ガシャガシャガシャガシャ……』


光が届かない薄暗い廊下の先から、鉄機兵が突然甲高く身を鳴らした。


「止まれ!!」


鉄機兵が身を鳴らしながら近付いてくる……


それは鉄機兵が動いたということ、自分達の気配なのか、光を感じたのか分からないが、鉄機兵を迎え撃つ態勢を整える。


『ガシャガシャガシャガシャガシャガチャン!!…ガシャ、ガシャン!!』


鉄機兵の甲高い音、その音が近付きフレン達の前にその姿を現すかと思ったが……音を鳴らしたのはフレン達を威嚇するためだったのか、最後に甲高い音を鳴らして歩みを止めて、静かな時間を作り出す。

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