異世界18
ゴーストゴーレムを扱えるのはアフレクションネクロマンサーだけという事実が、逆にアフレクションネクロマンサーの価値を高めることになったのだが……
「壁を登れる鉄機兵……」
「あの方はアフレクションネクロマンサーではないはずだが……」
彼らが戦っている敵はゴーストゴーレムこと、鉄騎兵を多用する。
それは伝説の中に埋もれたアフレクションネクロマンサーに匹敵する程に。
まさに物語の中のアフレクションネクロマンサー。
凄かったと伝えられた戦士として、小国家とやり合うほどの兵力と匹敵するだけのゴーストゴーレムを作り出す敵。
これだけのゴーストゴーレムである鉄騎兵を使うのだから、単純に考えればアフレクションネクロマンサーが敵にいると考えるのが当たり前なのだろうが、敵の中にはアフレクションネクロマンサーを確認することは出来なかった。
これだけのゴーストゴーレムを、これだけの力あるゴーストゴーレムを扱えるというのに、英雄アフレクションネクロマンサーの名を語って来ない。
英雄アフレクションネクロマンサーの名前を語れば、それこそこちらの軍の士気は地に落ち、それだけで戦場の勝敗が決してしまうかもしれないのに、その名を語らない……
フレンとベルガは止めていた足を再び動かしながら、
「あの方は確かにアフレクションネクロマンサーではない……だから、アフレクションネクロマンサー様を名乗らず、もしかしたら他の方法で、ゴーストゴーレムを操っているのかもしれない」
「他の方法?」
「そうだ、だからアフレクションネクロマンサー様の名前を語れない。アフレクションネクロマンサー様に匹敵しても、アフレクションネクロマンサー様の名前を語れば、それは嘘を付いていることになって、逆にインチキ呼ばわりされてしまうからだ」
フレンとベルガは、奇妙な敵であろうと敵……その考えのもとで戦って来たが、劣勢になってきた自国の事を考えれば、この奇妙な敵に付いて深く考えて対策を立てねばならないだろう。
だが、現在において必要なのは敵をこの城から追い出すこと、新たな鉄機兵を拝見させて貰おうと仲間を引き連れて行こうとしたが、
『ガシャ……ガシャ…』
鉄機兵特有の、鉄と鉄が擦れる音が聞こえてくる。




