異世界13
オーク…こと、ベルガはエルフからの質問に答えるが、答えを言い切る前に、質問を投げ掛けたエルフが話を続けて話を終わらせると、エルフはベルガの方を見る。
しかし、その見るという行いは先程の決して威圧するものではない。
何か切っ掛けを求めるような……後押しを求めるような弱々しい瞳で……
「……フレン、私は自分の国を守りたい……彼らの国ではなくて、私達の国だ……その為にも耐えるしかない」
「……お前は真面目だな」
ベルガは、フレンが「どう思う?」という質問をして来たのは二年も続くこの戦争についてではなく。
二年も良いように扱われる自分達について。
何でも良いからあの高貴なエルフに対して、批判的なことを言って欲しかったのだろうとは思ったが、それを言ってしまえば、フレンはここにいる全員で踵を返して、奴らを皆殺しにしてしまう。
エルフだけが人であり、それ以外の人種は全て奴隷と教え込まれているエルフではあるが、兵力や土地の拡張をさせたりするオークを共に国を守る友、資源から素材や材料を作るドワーフを国の生活水準を上げる者、そして子を成すサキュバスは国の繁栄に携わる存在……
そうやって彼らを、自分達と一緒にいてくれなければならない存在として考えるエルフ達もいる。
しかし、そういう弱者側に立つエルフというのは総じて、奴隷として扱われる者達と密接な関係であるためか、失脚させられたり、立場を奪われて身分の低いエルフとされてしまっていた。




