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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中14

_____古びた戸が開く、雪がやんだ闇夜の銀世界、そこに現れたのは時代錯誤な軍服を着た兵士達と一人の牧師……そして一人の少年兵


老兵を先陣に屈強な兵士達が一陣を切る。


敵に一番に接敵し、敵の罠に真っ先に掛かり、イの一番に血を流して血路を作るのが役目。


先陣を務めるのは二月、長く生きてきたというのはそれだけ死に一番近い所を務めた証。


そして、第一陣の背中が見える位の所から第二陣が出る。


第二陣は左胸に十字架の刺繍を施された黒い服を着るアニーが隊の指揮を執る。


第二陣は本命の部隊、第一陣を捨て石にしてでも万全な体制で敵と立ち向かう部隊。


第一陣が敵に接触すれば助けにも入るが、場合によれば見捨ててでも敵の弱点を探ることもする。


第二陣は敵を討つ、もしくは情報を持ち帰る。


例え、第一陣に犠牲者を出させても、何らかの成果を上げること求められる。


どの陣に入ったかによって命運が分かれるとも言える状況で、礼人が布陣されたのは、


「礼人、しっかりと気を張りなさい。先に感じる悪意だけでなく周りの気配を読むんですよ」


第二陣のアニーの真横だった。


第一陣に配置されなかったのは言わずもがなだが、アニーの横に付いているのは理由がある。


部隊の最後尾というのは死角を晒す場所、当たり前の話だが前に進む以上は前を向かなければならないのだが、その当たり前のせいで後ろからの襲撃には常に気を張らなければならない。


それこそ目の前で仲間が真っ二つに裂かれようとも後ろに気を付けなければならないが、ただ後ろに気を張っているだけでは前に対応が出来ない、後ろに気を張りながらも前に付いて行かないといけない。


まるで禅問答みたいに感じられるかもしれないが、これを求められるのが後ろの役割なのだ。


そんな所を一介の、満足に霊力を扱えない学生に任せることなど出来るはずが……無い訳ではない。


怯えているというのはそれだけ周囲に対して敏感になっているということ、それこそいまの礼人ならば小動物の物音だけでも身をすくめるだろう。


そんな礼人を後ろに置いとけば何かあればすぐに勘付くのは間違い無いが、霊力の弱い礼人を後方に置くのは命と引き換えにするレーダーと言っても過言では無いのでこれは却下された。


ならば、先陣を切るアニーの真横なら安全なのかというと二番目位には安全だろう。


本当ならば中央にいさせるのが一番なのだが、


「礼人には礼人なりに役に立って頂きます」


アニーは礼人を危険を予知するための道具、毒ガスが漏れていないかを確認するために連れ込まれた小鳥の役目をさせているのだ。

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