プロローグ25
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「うわぁあわぁあぁぁぁああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
「な…なん……」
車のハンドルに体を預けて休憩をしていたリディの耳に突然、誰かの絶叫が聞こえて顔を上げた瞬間、
『ドッチャ……!!』
鈍い音を鳴らして、地面に叩き付けられたジンを見てしまった。
「……死んだ」
それは確信であった。
地上でRLと殺し合いをしていたからこそ分かる、生命の死。
生きている、若しくはこれから死のうとしている者は、ヒクヒクと体をビクつかせるのだが、即死した者というのは驚くほどに動かない。
神経締めされた魚のようにピクリとも動かずに、地面に横たわる。
後頭部を打ち付けての即死、体が元々弱くなっていたのも致命傷になったであろう……彼は……
「ああっぁああぁぁあぁぁぁあああぁああぁぁあぁぁぁあ!!!!!!!!」
「……っあれは!?」
甲高い絶叫が少し動いたの感じて、上の方を覗いてみると、団地からもう一人落ちて来る。
「後追い自殺……?」
団地に友達がいると聞いていたが……まさか後を追って自殺する程の仲だったとは思っておらず、遺体処理を二人分しないといけないのかと、もうこの先の事を考え始めたのだが、
『タッ!!パンッ!!』
「……待てよ」
彼の友達は、ベランダの縁に足裏を擦らせて減速し、さらに落ちる時にしっかりと、ベランダの縁に手を掛けて減速する。
彼が言うには、その友達は物凄い身体能力をしていると言っていて……
「もしかしてあいつが……」
地上にいる時、美優から手紙を貰ったのだが、その手紙の中に身体検査で……美優には、RLHの存在を教えてあるから、そこら辺は誤魔化して手紙を送ってくれたのだが、歴代一位と二位の身体能力を持つ者が入学しそうと書かれていて、二位の方も中々悪くないが、一位には及ばないと書かれていた。
美優の他愛の無い話をフリをした手紙で、軍部が確保しているRLHが入学して来るのかと身構えていたが、
「……どっちだ?」
団地から垂直落下で降りて来る彼の友達を、運動神経が良いという話で片付けるには少し早計過ぎる。




