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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
世界
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プロローグ24

熟したみかんが潰れて甘い蜜を吹き出すように、ジンの頭から血が……



「ああっぁああぁぁあぁぁぁあああぁああぁぁあぁぁぁあ!!!!!!!!」



「雫さん!!!!」



雫は絶叫しながら、四階のベランダから飛び出してしまう。



ジンの部屋よりも下の階にあると言っても四階、下はコンクリート。



頭から落ちる様な下手な降り方をすれば致命傷か死、体から落ちたとしても、どこかしらは骨折するのを覚悟しないといけない。



ベランダから飛び出した雫は、



『タッ!!パンッ!!』



器用に下の階のベランダの縁に足を裏をぶつけて減速し、さらに落ちる時にベランダの縁に手を掛けて減速をする。



トップアスリート並みの身体能力を有する雫だからこそ出来るパルクール。



落下しているかのように、四階から真っ直ぐに地上へと降り立つと、



「ジン…ジン……!!!!」



目の前の絶望的な状況に、ジンの名前を呼ぶ事しか出来ない。



頭から流れ出る血、自分の服を今すぐにでも脱いで、後頭部に当てて止血しないといけないのは分かるが、この血が溢れ出ている状況で頭を持ち上げたら脳が……



「くっ…うぅ……」



自分では処置の出来無い状況に呻き声を上げて、ジンの体に顔を(うず)める事しか出来ない。



突然の切羽詰まった状況、このままでは……いや…もう……ジンは……



「くそっ…くそぉ……」



なぜこんな事になったのか……心当たりは無いが……過去の自分と重なる。



ジンもまた、赤く燃えるような瞳をしている。



活発な雰囲気のジンは、人を惹きつけると魅力があるのだが、それに赤く燃えるような瞳が合わさって、何とも言えない……人を魅了する魅惑がある。



ジンには自分の過去の事を教え、絶対に怪しい人と関わらないようにと警告していたのに……



「お前何をしている!!病院に連れて行くぞ!!」



「お前か…お前のせいか……」



ジンの体に埋めていた顔を上げながら、怒気で声を震わせる。

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