表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
世界
1382/1400

プロローグ9

「ミィオか」



「そう、ミィオっス」



美優の隣に立つもう一人の少女……ミィオは、美優の側にある車を見て、



「もしかしてスか?」



ミィオもナンバープレートを知っているのだろう、車の方を小さく指差す。



美優が、車の中の人と話をしているのを見ていて、自分も挨拶の一つでもしようと近付いたのかもしれない。



「あぁ…そうなんだけどなぁ……」



美優は、気まずそうに車の中にいるリディに視線を寄越(よこ)すと、リディは顔を合わせないと、首を横に振ったので、



「また今度……」



リディのお願い通りに、車からミィオを遠ざけようとしたが、



「分かってるっス。でも、今度から軍の学校に行くんスから、挨拶したいじゃないスか」



覗き込む程ではないが、ミィオは美優を躱してヒョコっと顔を出してしまう。


「あっ!お前!?」


もちろん、美優も黙っていたのではなく、ミィオが自分の側に寄った瞬間に嫌な感じがしたので捕まえようとしたのだが、蛇のようにスルっと自分に絡みついて、脇から顔を出されてしまう。



慌ててミィオを引き離そうと頭を鷲掴みにした所で、



「リディさん!?お久しぶりっス!!」、



「……久しぶりだな」



ワンテンポ遅かったようで、ミィオは車の中に乗っていたリディと顔を合わせると嬉しそうに挨拶をして、挨拶された方のリディも、それに対して微笑んで挨拶を返すものの、その微笑みはどことなくぎこちなく、気まずそうな感じがする。



「どうしてここにいるんスか!?地上勤務の任は解かれたんスか!?」


「いやっ…そのな……」



気まずそうな雰囲気を出して、話を区切ろうとしているリディなのだが、ミィオはそんなのお構い無しに捲し立てて会話をして来て、



「そうっス、これから三人でどこか出掛けようっス!!」



「いやっ、待ってくれ!!」



「ミィオ!!!!」


会話の勢いそのままに、助手席のロックを外して乗り込もうとしたのを、リディと美優が慌てて止めよとしたのと同時に、



「申し訳ないけど、今は貸切なんだ」



車の中の彼がみかねて、慌ただしくしている彼女らを戒めるかのように声を出して乗車拒否をする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ