世界66
ニードゥスが、異世界からのアフレクションネクロマンサーと会っていたというのは知っていた……というより、分からされた。
離れた所で、この赤いモノとの融合をする為の儀式をしていた時、尋常ではない霊力を感じた。
それは、向こうの世界に行く者として選ばれた時から、長い年月を掛けて準備して来た事が、吹き飛んでしまうのではと思う程の強力な霊力。
あのアフレクションネクロマンサーに気取られては、長年の計画が消えてしまうと機銃車を送り、監視部隊から届いた連絡は吉報であった。
目の上のたんこぶになりかねないアフレクションネクロマンサーが、生死不明となったと。
その際、ドラゴンとアフレクションネクロマンサーもどきみたいな者がいるという報告も受けたが、それでも最大の難関は消えて、追い風が吹く様に、ドラゴンに復讐心を抱くリザードンが現れた。
そして、最後の関門になるかもしれない、アフレクションネクロマンサーもどきと対面して実力を推し量ったが、内包する霊力は、我々の計画を阻止するモノでは無かったはずなのに、
『キィシャァァァァァ…………』
遠くで、魂達を内包していた赤いムカデが消滅させられていく。
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「これじゃない!!!!」
ビレーの魂を吸ったリーフは、赤いムカデを潰しながら次元の狭間を飛ぶ。
奴等の目的は向こうの世界の支配、その為には指導者だけでなく、向こうの生物と融合させる為の魂もいる。
リーフは飛びながら赤いムカデを切り刻んでいるのだが、後者の生物と融合させるための魂を内包したハズレの赤いムカデ。
どこかに、さっきの奴等の赤いムカデがいるはずなのだが……
「……いる」
霊力が完全に覚醒しているリーフには、赤い柱を通じて、こちらを視ている存在に勘付く。
その視ているモノを辿れば自ずと、
「そこかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
奴等の居場所が分かる。
リーフは、翡翠の翼を広げて一気に飛び上がると、奴等の下へと向かう。
その途中途中で、兵である赤いムカデが飛び掛かって来るが、今のリーフを止める事は叶わず、近付いただけで赤いムカデは消滅する。




