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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
世界
1360/1400

世界60

「このっ……」



リーフの両肩を、両腕を掴み、両足を掴んで赤い沼に膝立ちにさせる。



無理矢理に抑え込まれるその姿は、敵兵に捕まった将が、頭を垂れさせられているかのよう。



「………………」



体を抑え付けられて、身動きが取れなくなってしまったリーフは息を整えて、何とか霊力の回復を図る。



まだ、体の中に赤いモノは染み込んで来ない。



ここで何とかすれば……ここで何とかしなければ、憑り殺されてしまう。



憑りつかれるという事が、どういう事なのかは、礼人が身をもって教えてくれている。



人ならざるモノ、人の認識を越えた化け物。



あれになっては、もう後戻りは出来ない。



はやる気持ちを何とか抑え、霊力を高めて……



『『『ふぎゃぁぁぁぁ!!!!!!』』』



「えっ…?」



気を集中させていたのだが、身の毛がよだつ感覚がして、赤ん坊達が伸ばす手を見てしまう。



赤ん坊達の魔の手は、すでに自分の事を抑え付けているのに、まだ手を伸ばして来る。



殴るなり、叩くなりをするのではなく、手を伸ばして来るのだ。



一体何を掴もうと、何に触れようと……眼前から迫る魔の手の先を見て……



「やめろぉぉぉおぉぉぉぉおおぉおぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



リーフは絶叫する。



迫る魔の手が掴もうとしてるのは、自分の下腹部……いわば、子供を作った器官。



赤ん坊達は、リーフの体を狙うのもそうだが、それよりも先に下腹部を狙う。



「うぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



半狂乱になって叫び声を上げる。



それは女性として耐え難い苦痛。



体を乗っ取られるだけでなく、化け物を産む苗床にされる。



考えたくもないおぞましさと、感じたくもない気持ち悪さ。



体を左右に揺らして、赤ん坊達の魔の手から逃れようとするが、両腕を、両足を掴む魔の手を振り払えない。



「してやる……してやる!!!!!!!!!!私が化け物になったら、お前達をこの世界から消滅させてやる!!!!!!!!!!!!」



それは決して脅しでは無い、アフレクションネクロマンサーであるリーフなら、強い意志を持って化け物になれば、一つは願いが叶う。

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