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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
世界
1354/1400

世界54

リディが一瞬で焼かれた……たった一つの赤い稲妻によって。



奇跡は起きた。



リディが、ドラゴンになれるという奇跡。



選ばれし者しかなれないドラゴンになった。



だけど、奇跡は二度も起きなかった。



リディは劣っていたのだ。



対等だったのは、今さっきドラゴンと龍になったという事だけ。



覚悟が違う。



リディは、レインを助けようとして来たが、龍は命を捨てての死に物狂いで殺し合っていた。



そんな時に、訳の分からない者が飛んで来て、手加減をする理由が無い。



格が違う。



確かに、ドラゴンと龍という、甲乙付け難い存在ではあるが、龍は赤いモノを取り込んでいる。



その命はもう捨てたも同然で、この戦いに生き残ったとしても、数時間もしないうちに死ぬ事になるだろう。



だが、赤いモノが与える力は、アフレクションネクロマンサー化したドラゴンと、互角に戦える力を与える。



その事情を知っていれば、リディにも戦えたかもしれないが、初手から出鼻をくじかれて、その初手が致命傷になる一撃であった。



「きっっさまぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!‼!!!!!!!!」



力無く、羽を羽ばたかせる事無く落ちていくリディ。



その姿を見たレインの戦う理由が変わる。



生きてリーフの所に、援護をしにいかなければならないと思っていたのが、復讐心に変わる。



リディに落とされた赤い稲津は、自分が耐えて来たのとは違う。



死なば諸共(もろとも)



アフレクションネクロマンサー化したドラゴンを殺す為に、自分ごと殺す赤い稲妻を溜めていたのだ。



アフレクションネクロマンサー化したドラゴンと、赤いモノを取り込んだ龍を殺す赤い稲妻を、ただのドラゴンが耐え切れる訳が無い。



一瞬のうちに殺されたリディ、最期の言葉を交わす事無く、守る事も出来なくて……



「殺してやるよ!!!!!!!!!!!!!!」



『ブチグチュゥゥゥゥ!!!!!!!!!!』



「ガヤォォォッォォォォォォォ!!!!!!!!」



奇跡では無い、必然が起こる。



龍が赤い稲妻を溜めていたのは、自分達を殺す為。



それは、自分が持てる全てを出し切った事を意味している。



体も、精神も限界の限界を超えて撃つはずだった最期の一撃を、突然飛んで来たドラゴンに、つい撃ってしまった。

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