世界46
「あなたの言葉には、決意が足りない……」
「ほぅ……」
言葉が薄い……言っている事は「そうなんだろう」なのだが、老齢のエルフの言葉から感じるのは、子供が書いた計画表のようなあやふや、輪郭のはっきりしない、有耶無耶な物が見え隠れする。
リーフは、手にしているアソリティの剣を強く握ると、老齢のエルフを見据える。
「アフレクションネクロマンサーとは、面白い存在だ。」
我々が騙し騙し、煙に巻こうとしてみるのだが騙されない。
真実を見据える力というのか……何かを感じる力が特化しているのか……アフレクションネクロマンサーと化している少女の力量を少々感じてみようとしたが、思いのほか驚かされる。
「では、君に斬られる前に、もう一つ話をしよう」
「…………」
リーフの中で、老齢のエルフを切り捨てるのは決まった。
ここでどれだけ命乞いをしようが殺すと決めた、足に力を溜めて、翼に力を溜めて、一撃で老齢のエルフを叩き斬る準備を整え……
「我々の真の目的は、向こうの世界の侵略だ。向こうの世界に我々の魂を送り、向こうの者達の肉体に入り込んで、我々が生まれる。そして、向こうの世界の者達を滅ぼして、我々が新たな支配者に……」
「消えろ……」
『ブジュゥ……』
アソリティの剣が、老齢のエルフを真っ二つに切り裂く、手応えあ……
『ブジュ…ブジュブジュブジュブジュ!!!!!!!!!!!!!!!!』
「なっ……!!!?」
「ふっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」
体を真っ二つにされた老齢のエルフは笑い狂う。
真っ二つにされた体と、赤い柱から触手が伸びて互いに絡み合った次の瞬間には、水で膨らむ人形のように、老齢のエルフの体が膨張し、体中から口が現れて、
「「「遅かったなアフレクションネクロマンサー!!!!!!!!!!」」」
「「「遅すぎたのだよアフレクションネクロマンサー!!!!!!!!!!」」」
「「「手遅れだアフレクションネクロマンサー!!!!!!!!!!」」」
「我々」が喋り出す。




