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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
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夢の中51

霊力とマナと魂を融和させて形にすることが出来たが、いつもみたいな矢の形にしたり蝶にしたりするのには練度が足りなかった。


だが、安定した水晶玉の状態なら、黒い海が歪んでいても、黒い海を消滅させながら真っ直ぐに蛹に向かって落とすことが出来る。


礼人は狙いを定め、いつでも蛹に水晶玉を落とせる体制を整えて制止する。


状況は変わった。


ここで礼人が気を失おうと仲間が回収してくれる。


大きな鯉は今回のことで凶暴な側面があるというのが分かった。


しかし、それでもこの黒い海を浄化させるのに大切な存在、危うく殺されかけたが、出来れば一時的な敵対関係として終わらせたい。


そんな礼人の気持ちを大きな鯉も察したのか、


「……」


あれほど執拗に礼人を追いかけて来ていた大きな鯉が、静かに沈んでいく。


さっきまでのことが嘘のように、静かにゆっくりと沈んでいく。


何度も何度も頭を悩ませ、何度も何度も命のやり取りをしたのに、何もかもが静かに黒い海の底に帰ってゆく。


悪夢から目覚めたベッドの中のように呆気の無い終わり、静寂が戻った黒い海の中で、自分の心臓が早鐘のように打っているのが聞こえる。


黒い海の中で響く鼓動が終わりを告げ、手の中にある水晶玉も必要無くなったのだが、


「これどうしよう……」


あまりにも強力な力、これを体の中に戻すのは子供がウォッカを飲み干すような危険な物を感じながらも、戻すことが出来たら今後の新たな可能性が開けそうな気もする。


少しばかし悩んでいると、


「礼人ぉぉぉぉぉ!!無事なのかぁぁぁぁ!?」


遠く、上の方から自分を心配して呼んでくれる声が聞こえる。

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