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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
世界
1329/1400

世界29

_______



「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」



だから、ここで兵士として役目を果たす……そう決意してから数秒で、兵士としての役目が終わった……あまりにも強過ぎた。



羽を持つリザードマンが羽ばたいて突撃して来て、手を振っただけで、部下達の体が切り裂かれて死ぬ。



服を縫うように、部下達の間を縫って通り、



「た…助けぐぇ……」



『バッギンッ!!!!』



最後の一人は地面に叩き付けて、頭を足で踏み付けて、そのまま頭を粉砕して殺す。



「どうする?」



顔色一つ変えずに、羽を持つリザードマンは部下達を皆殺しにした……あまりにも呆気無く終わった抵抗に、全てを悟った。



「ありがとう……」



「なに?」



詩文は部下達を死地に連れて行く罪悪感で、心が潰れてしまいそうであったが、そんなのは余計な気苦労。



「さぁ殺せ、お前が殺さないなら自死するまでだ」



「…………」



どうせ、いつか殺されていた……自分がどれだけ頑張ろうが、気を使おうが、前線で戦う者は殺されて終わった、ただそれだけの話……それが分かれば、死なせた部下達に対して罪悪感も薄れるという物。



「さよならだ……ゲホッ……」



後は、死なせた部下達が悔いを遺さないように、自分も後を追って死ぬのが、せめてもの(なぐさ)め。



_______



「……情報を手に入れられなったか」



情報を持っているであろうエルフは、マナを蓄える器官を暴発させて死んだ。



躊躇う事無く死んでみせたのは、見事ととしか言いようが無く、これでは、どちらが手玉に取られたのか分からない。



「そんなにか……」



唯一分かる事といえば、生きられる方法があったのに、部下達を道連れにしてまで、情報を秘匿したという事だけ。



「どうするか……」



血で濡れている腕を擦って考える。



この先がどうなっているのか、無理をしてでも見に行くべきと思う自分と、拠点を確保して、リディ達の安全を確保するかと悩んでいる自分がいる。



「…………」



この世界の流れは、刻一刻と流れている。



それこそ一日で千秋が流れるかのように、激しく蠢いている。



「…………」



ここで判断を間違えれば、それこそ、取り返しの付かない事態を引き起こす程に、物事が流れている。



「選択か……」



あの時、リディとリーフが話していた事が、ふとっ思い浮かぶ。




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