世界9
まるで、昔からの仲間のだったかのように、リディ達を受け入れる事が出来てしまう。
「どうかしたのリーフ?」
「あっ…その……これからの事を考えていて」
「そうね。これからの事を考え無いといけないわ」
そんなリーフの気持ちを知ってか知らずか、リディもまた、リーフに対して昔からの仲間かのように振舞うが、
「少しよろしいでしょうか、リディさん」
「是非、アルフアさん。何か妙案がありましたら」
まだ、アルフア達とは他人行儀な面を見せ合う。
アルフアは一度咳払いをし、間を調整してから、
「我々の気持ちとしては、連れ去られたフレン達の救出を急ぎたい……しかし、その為にはリディさん達の戦力を借りないといけない。差し支えなければ、元々のそちらの目的というのをお聞きしたい。それによって進行、後退の判断が出来るのではないでしょうか」
リディ達の元々の予定を聞こうとする。
まだ、完全に仲間となり切れていないアルフアにとって、この質問はかなり切り込んだものであり、敵とは言わないが、内情を知ろうとしているようにも思われない行為だが、
「浮足立っている時に、話の整理をするのは良い事ですよね」
「えぇ、出来ましたら教えて下さい」
リディは、アルフアの提案を快諾すると、テーブルの上で手を組んだ。
「まず、第一の目的として、赤い液体を創る拠点から、ドラゴンの秘宝を回収するのが目的だったの」
「ドラゴンの秘宝?それは、聞いて良い物なのですか?」
ドラゴンという存在が、どんなものなのかというのは、レインから嫌という程に教えられた。
そのドラゴンの秘宝というのだから、秘匿に近い物の可能性が高い。
レインの方に目線を向けて、ドラゴンの秘宝という物がどんな物か聞けるのかと、視線を送ると、
「気にする事は無い。秘宝と言っても、簡単に言えばドラゴンのマナを蓄える器官だ。赤い液体を創るのに必要な道具だったが、あの拠点を放棄する事になって、回収する事になったんだ」
レインは、ドラゴンの秘宝の正体を簡単に話す。




