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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
世界
1308/1400

世界8

綺麗に、垂直に、天に足を延ばすレイン。



ほんの少しもブレない事に、レインの体幹がどれだけ素晴らしいのか分かるが、その綺麗に伸ばした足を揺らすと、次の瞬間には、一つ目の化け物を包むように、体を猫のように丸めて、



『バッギンッッドンッッ!!!!』



一つ目の化け物の首で一回転して、地面に叩き付ける。



「うぉっ!!!?」



巨大なドラゴンと巨人の戦いをその場で、まじかで見ているレンスの足元が揺れ、空気が揺れる。



巨大と巨人の戦いだが、その優位性は一目瞭然(いちもくりょうぜん)、同じような体格をしていても練度が違い過ぎる。



残りはまだいるが、それでも、レンスが勝つと思える程に、勝機が傾いているというのに、



「てっぇやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



そこにリーフが混ざる。



『ヒュッ!!ヒュッヒュッン!!』



「「ぐぅぅぅうぅぅぅぅうぅ!!!!!!」」



リーフの戦い方は、舞う蝶そのもの。



通り抜け様に一つ目の巨人達を切り付け、蝶の羽から鱗粉(りんぷん)が舞うと、一つ目の巨人が苦しさにむせる。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



身動きが鈍った所に、翡翠の炎を纏った大剣を目に突き刺すと、口の中が翡翠の炎で焼かれて、そのまま倒れてしまう。



(レンス!!!!)



「ギラ」



これで、雌雄(しゆう)は決した。



ただでさえ、レインとリーフによって、勝利が手繰(たぐ)り寄せられているのに、ギークギラが増援の鉄騎兵まで連れて来てくれた。



「ギラ、増援を連れて来て貰って申し訳無いけど、戦いは終わるよ」



(……そうか。足を止めてよし)



レンスの言葉に反応して、ギークギラも戦況を見極めようとしたが、一方的な戦いがそこにあって、見極める必要性は無かった。



_______



「みんな、無事で良かったわ」



一つ目の巨人達を掃討(そうとう)したレイン達を温かく迎えるのはリディ。



大広間には食事が用意されて、急遽な戦いに出向いた事への感謝が示されている。



「無事に帰れたのは、リーフのお陰です。彼女が来てくれなかったら、自分は今頃、死んでいました」



「そうね……ありがとうリーフ、あなたの活躍は城壁から見ていました。さすが、アフレクションネクロマンサーですね」



「いえ…………みんなが無事で良かったです」



アフレクションネクロマンサーと褒め称えられた事よりも、散々自分達を苦しめて、いつかやり返してやると思っていた相手を「みんな」と呼べている自分に、戸惑いを少し覚える。

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