異世界のアフレクションネクロマンサー748
霊体を容易く消滅させるアフレクションネクロマンサーの力に、ドラゴンの力が合わせれば、一つ目の化け物を貫く事など容易い事。
蛇のように長い首を振って、もう一体の一つ目の巨人の胸に狙いを定めて、
「う…ぐぅ……」
翼を羽ばたかせようとしたが、脳が揺れた。
地面に足が付いて、酔っ払いの千鳥足のようにヨタヨタとその場で踊り、
『ドス…ドスドスドスドスンッ……!!!!!!』
体の重さに耐え切れなくなると、その場で尻もちを付いてしまう。
「うぅ…ゴホッ…ゴホゴホッ!!!!」
肺が突っ張っているのを感じる。
いつもなら動いている事を感じない器官からのSOS、ドラゴンとい最強の種に従事している肉体からの悲鳴。
(分かっていた…分かっていた……)
日に二度という、アフレクションネクロマンサー化するという行為が、無茶苦茶だという事。
そんな事をすれば、体中が悲鳴を上げる事は分かっていたからこそ、黄金化するだけで留めていたのに……
(動かないと……)
戦う気力はあるが、肉体が悲鳴を上げてしまって動けない、意識と肉体の連結が今にも途切れそうで、戦いに集中が出来無い。
「ぐぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!!」
「く…そ……」
一つ目の化け物が、勝ち誇ったかのように咆哮を上げるのに対し、立ち上がって反抗の意思を見せないといけないのに、腰が上がらない。
『ボォォン!!!!』
投げ付けられる、赤いモノの塊を避けないといけないのに、
「ぐぅ……」
避ける事が出来ない。
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「鉄騎兵、前進!!!!」
ギークギラの連絡を受けて、鉄騎兵を引き連れて来たレンス、森の中を駆けていた。
拠点から出る前に、レインと話はしたのだが、もう一回アフレクションネクロマンサー化したら、倒れて動けなくなると。
もしも自分の方から、アフレクションネクロマンサー化の力を感じたら、リディを連れて逃げて欲しいと言われたが、
「お前がいなくちゃ、この戦争は勝てなくなるだろ」
敵を圧倒できる力を持っているのはレインだけ。
あのリーフという少女に付いては未知数な所が多く、戦力として考えて良いのか分からないのに、レインを置いて逃げる等出来無い。




