異世界のアフレクションネクロマンサー745
「よくここに、私がいるって……」
「レインさんが危ない!!!!」
「えっ?」
追い掛けて来たリーフの血相が悪いのは、何が起きたのか分からずに、心配だからと言う訳では無いらしく、こちらの他愛の無い話を一蹴してしまうと、城壁の縁に手を掛けて身を乗り出すと、
「レインさん!!!!その化け物は昔にいたんです!!!!アフレクションネクロマンサーが昔に倒したんです!!!!だから!!!!それを経験に強くなっているはずなんです!!!!」
リーフの叫び声のような大きい声がレインに届いたのか、レインが突然身を翻すと、
『ボォォン!!!!』
レインの真横を、赤い何かが通り抜けた。
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(ぐっ!!!?赤いモノか!!!?)
自分の身を掠めた赤い何かは、この世界に蔓延し始めている赤いモノだった。
リミィからは忠告はされていた。
赤いモノはリミィの専売特許ではあるが、本国もただ指をくわえるだけでなく、赤いモノを独自に研究はしてくるだろうと。
『ボォォン!!!!』
炎に悶え苦しむ一つ目の化け物の中の数十体の中の二体が、赤いモノで身を守りながら、わざと苦しんでいるフリをして、狙い撃ったのだ。
こちらの油断を誘う為に、赤いモノを使えない一つ目の化け物を混ぜて、一つ目の化け物が苦しむ姿を見せる事で、確実にこちらを仕留めるという狡猾で、人の心の無いやり方には反吐が出そうになる。
(危なかった)
リーフの声が叫び声が届かなったら、あの赤いモノの塊に直撃していた。
何を言ったのかは聞こえなかったが、アフレクションネクロマンサー同士の共鳴というのだろうか、リーフの緊張感がダイレクトに伝わって、身が勝手に翻していた。
『ボォォン!!‼』
『ボォォン!!!!』
「うっ!!!?」
マナでは無く、赤いモノを使っての攻撃は、まだ魔法と呼べる代物ではないが、一つ目の化け物が放つ、赤いモノが自分の横を掠める度に、岩石のように圧縮されているのを感じてしまう。




