異世界のアフレクションネクロマンサー744
今までは口減らしをする為に、街にいる者達には武器も、情報も降ろしていなかったから、鉄騎兵で十分に押し込む事が出来ていたが、これからは事情が変わる。
本国が温存してきた兵器が、前線に出て来る。
それは未知の存在。
奴等が創った兵器なのか、異世界からの情報で作った兵器が出て来るにしても、今までのように一筋縄ではいかなくなる。
(これからが、本当の戦争になるわね)
今までは戦争の前哨、領土を多少取られても良いから人の数を減らしたい本国と、人減らしをしながら、領土を広げたいと思っていた自分達との考えが一致していたからこそ、大規模な戦争は起きて来なったが、
(リディ様!!!!こちらから!!!!)
「分かったわ」
こちらがエアリアを向かわせて、本国に宣戦布告をしようとしたように、本国もこちらに、自慢の兵器を送って、本気で潰そうとしている。
こちらの総力が、どれほど本国に通じるのか分からない状況では、気が重くなるのも無理の無い話であったが、
(リミィ…やってみせるわ)
気持ちを奮い立たせて、ギークギラが銜えていた望遠鏡を手にして、レインが向かっている方へと、視線を追い掛けさせると、
「あれは、一つ目のオーク?」
レインが向かっている方向には、一つ目のオークが、数十体で列を組んで向かって来ている。
見た目は、オークを一つ目にしただけと言えば、それだけで通じるし、それ以外に何かの表現を変える必要性は無いのだが、
「随分と大きいわ」
(はい、大きさだけで言えば、レインと同等かと)
体の大きさも、オークと一緒と言う訳にはいかなかった。
森の中から、チラチラと姿を見せる一つ目の化け物。
普通のオークなら、どんなに体が大きい者でも、森の中を歩いた所で、体が見えたりする事はありえない。
森の中から姿を見せるというのは、それだけ、一つ目の化け物は体が大きいという事。
(ドラゴンであるレインなら、何とかしてくれると思いますが……)
「そうね。レインは、この世界に来てくれた救世主だから、あの程度に負けるはずが無いわ」
レインは空中から、一つ目の化け物を様子を窺っていたが、一つ目の化け物の方から襲って来ないので、空から炎を吐いて、一つ目の化け物を焼き払う。




