異世界のアフレクションネクロマンサー743
「話は後で!!」
リディは、リーフの部屋から飛び出して廊下を走る。
(気が緩んでしまった……でも、あの二人がいてくれて良かった)
大体の予想は付いている。
レインが、いきなり咆哮を上げたのは、奇襲してきた敵を迎撃する為。
外の見張りをしてくれていたギーグギラが、敵を見付けて戻って来たが、自分が不在だった為に、レンスとレインに話を通し、二人は、私を見付ける時間が惜しいと出撃してしまったのだろう。
それなら自分も急いで、二人の後を追うべきなのだろうが、
『ガシャン!!!!ガシャン!!!!ガシャン!!!!ガシャン!!!!』
「ギラ!!!!」
(リディ様!!そちらにいらしたのですか!!)
ギークギラは、自分の事を探して拠点内を、探し回っていると予想して、耳に神経を集中させたかいがあった。
鋼鉄の鎧を纏ったギークギラが走れば、石畳で出来た廊下では嫌でも音が響き、後は、その音を頼りに近付けば、ギークギラに会えるという算段。
(私の背中に!!!!)
「何があったの!?」
(敵襲です!!!!見た事の無い、巨大な化け物がこちらに向かって来ています!!!!)
「それは、私達のエアリアのような?」
(そうです!!!!それの地上版だと思って頂ければ!!!!)
ギークギラの背中に跨りながら、何が起きたのかと聞くのだが、不穏な事を言われてしまう。
ギークギラも、襲って来ている巨大な化け物の正体は分かっていないが、それでもイメージが付くようにと、自分達が知っている物からイメージを引っ張って、説明をしてくれているだけなのは分かってるのだが、
「もしも、エアリアのような存在だったら、ややこしいわね」
(そうですね…ただ、レイン様なら何とかしてくれると思います)
「そうね」
霊に特化した、アフレクションネクロマンサーと接触してしまうという事故があった為に、エアリアは沈められてしまったが、それさえなければ、本国襲撃用のエアリアは、間違い無く本国に対して、手痛い一撃を与えていた。
そのエアリアに似たようなモノを本国が創って、こちらに差し向けて来るというのは、少々気が重くなってしまう。




