表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
128/1400

黒い海45

何か打開策に繫がる引っ掛かりを、見付けなければならないが、


(……何かあっても罰は当たらないと思うんだけどな)


見渡す先に希望の光は見えない、あるのは暗い絶望だけ。


分かってはいた……そんな都合の良い話が、道端に転がっている小石のようにある訳が無いことは、分かってはいたが……


(まだ、諦めない!!)


分かっていても諦めることにはならない。


足元から迫る絶望から、逃れるために出来るだけのことをする。


力を注ぎ続けているせいで、白い眼が乾いてヒリヒリするような感覚がするが、


(大丈夫いける)


目に違和感を感じるだけで、脳には異常をきたしてはいない。


羽もまだ黒い海で羽ばたいていて、力を失って朽ちてもいない。


それに、一度だけなら力を最大限に使うことが出来る。


距離を縮めてくる大きな鯉から、数十秒でも一秒でも長く逃れようとする礼人。


それは、池の中に落ちた蝶が少しでも生き長らえようとしているような哀れな姿にも見えるが、


(まだなんだ!!)


絶望に包まれるのが怖くて、希望が諦めきれなくて足掻いてるようにも見えるが、


(出来ることをするんだ!!)


礼人の目は怯えた者が見せる憔悴した死んだ目ではなく、戦う者が宿すギラギラとした光が宿っている。


絶望を振り払うだけの強い希望の光は礼人の中には無いが、それでも自分の中にある小さな希望の光を絶やすことは無い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ