異世界のアフレクションネクロマンサー727
「人口が増える問題と、赤いモノが増える問題は繋がっている。人が増え続ければ、行き場の無い魂も増加してしまうの」
「それが、どうしても人殺しをしないといけない、理由だったのですね……」
それは、アフレクションネクロマンサーじゃなければ、聞ける話では無かった。
マナを消費量を抑えるには、口減らしをするというのが急務だったのは、アフレクションネクロマンサーになり、魂を感じられるようになったからこそ、理解出来る事。
そうでなければここで、リディに向かって「人殺しに、大義名分を掲げるな!!」そう罵っていた。
「でも、この問題をどうにかしようとした人が、他にもいたのよ」
「他にも?それは誰ですか?」
人口が増え続ければ、この世界が滅ぶ、その危険性に気付いた人がいると、リディが言う。
この中で、特別な力を持っている者と言えば、ドラゴンであるレインなのだが、
「…………」
リーフの視線を感じたレインは、首を横に振って自分では無いと伝える。
そうなると、この世界の危機に気付いた人となれば、
「リミィ様ですか?」
今は亡きリミィ様。
そもそも、礼人をこの世界に連れて来たのはリミィ様。
この世界の赤いモノを何とかしようとして、礼人をこの世界に召喚したのかもしれない。
「そうね。リミィは、その人の意思を受け継いだ者よ」
「受け継いだ?それじゃあ……」
この世界に起きている問題に気付いて、その対策をした人となるが……そんな話は聞いた事も無いし、見た事も無い。
受け継いだというのなら、それは表面的に見える部分では無く、水面下で動いてたのかもしれな……
「見た事無い?そんな事は無いわ。あなた達全員が見た事ある物よ」
「私達、全員が見た事ある?」
それは、予想だにしなかった言葉。
みんなが見た事がある……それは、アフレクションネクロマンサーとか関係無いという事、それも、前々から、されて来た対策だという事。
リーフは、それが何なのか、自分が見てきた中から、思い当たりを探そうとしたが、何か特別な物という物は浮かび上がらない。
世界の破滅を防ぐ物が思い浮かばないでいると、
「麗騎兵よ」
「麗騎兵?麗騎兵ってあの麗騎兵?」
リディは、その特別な何かを口にした。




