異世界のアフレクションネクロマンサー722
「リザードンに対抗する為に、創り出されたオーク。けれど、元はエルフの肉体だから、限界がどうしてもあった。そこでドワーフを生み出すの」
「ドワーフ……武器作りの為ですか?」
「そうね、それもあるけど、昔のエルフって森と共に暮らしていたから……縄張りというのかしらね。森と共存しての村という概念はあったけれど、森を切り崩して町を創り出す考えは無かったらしいの。だけど、攫って来たリザードマンにはその概念があって、町を造り、強固な拠点を造った事で一気に飛躍したというのがあるわ」
「エルフってそんなに、賢い生き物じゃないんですね」
「賢いね……文明のスタートは、どこも一緒じゃないかしら?ただ、昔のエルフは、本来なら年月を掛けて、血を流して発展させていく文明を、リザードマンを呼ぶという横着をしたせいで、苦しむ羽目になったというのが正解かもね……でも、最初に召喚したエルフは、弱い者達が生きる為にリザードマンを召還して、そのせいで狂った世界を何とかしようとアフレクションネクロマンサーを召還した。そのエルフが賢いかは分からないけど、愚かでも無いと思うわ……全てが愚かと思う必要は無いはずよ」
リーフの自虐的な言葉に、リディは話を切り、彼女の感じている罪悪感を軽くするのは、
「それじゃ、話の続きをするわ」
「はい」
それは、リーフが最後まで話を聞けるようにと、リディの気遣い。
「ドワーフには、細かい作業をさせる為にも、小さな体を与え、同時に屈強な体を与える事で、過酷な作業も耐えられるようにした。ドワーフが資材を作り、オークが資材を使って建築を行う。こうしてエルフ初の町が造り出され、反抗作戦の為の拠点も造られたの」
「そうなのですね。でも、それだとサキュバスの役目は?戦う為のオーク、物を作る為のドワーフ、それで十分じゃないですか、サキュバスを創り出したのは……」
(リーフのお母さんって、エルフの方だったんですか?)
礼人の質問が、リーフの頭を過ると言葉が詰まった。




