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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
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黒い海44

生き延びるためには、考え無いといけない。


どうやったら生き延びることが出来るか?どうすればこの危機から逃れることが出来るのか?


生き延びるために考え無いといけないのに、考えるという行いをすればするほど、自分が詰んでいることを認識してしまう。


絶望的な状況でも抗うために周囲を見渡し、


(……賭けるしかないか)


最初にも言ったが、黒い海は必ずしも階層が順番に繋がっている訳では無く、一層目から一気に地獄の底へと繋がっている場合もあるが、逆を言えば、地上からこの二層目まで繋がっている道もあるかもしれないということ。


運良く二層目から地上に繋がっている通り道を見付け、その通り道に地上に向かっていく流れがあれば、そこから脱出することが出来るかもしれない。


随分と都合の良い話だが、自分に出来る事と言えば、その都合の良い話が起きる可能性のある通り道を探す事……あるかどうかも分からないその通り道を……


黒い海を少しでも見えやすくするために、白い眼にさらに力を注ぐが、これはあまりやりたい方法では無かった。


目は視神経を通して脳と繫がっている。


人体の急所である目に力を込めるのはかなり負担が掛かる行いで、スタングレネードが分かりやすいが、目に強い閃光を浴びせることで脳にダメージを与えて気を失わせる。


礼人がモノクル眼鏡を掛けるようになったのは、白い瞳で世界を見ると常に霊視をしている状態になって脳へと負担が掛かるため。


霊視が出来なくなる特殊なガラスをはめ込んだモノクル眼鏡を使うことで、脳への負担を減らしていた。


それほどまでに白い眼に対して気を使っているのだが、今は仕方無い。


目を細めて遠くを見渡すが、


(何か無いのか……)


見えるのは黒い海の苦悶に満ちた顔、遠くの先も近くの目の前も見えるのは黒い海の苦悶に満ちた顔……

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