異世界のアフレクションネクロマンサー716
「それは一方的な戦いだったそう。リザードマンに魔法が効きにくいというのもそうだけど、特にドラゴンには、エルフの魔法では太刀打ち等出来ず。日が経つに連れて、エルフの数は減っていったの」
それは、決して大げさな話では無い。
リザードマンを倒すには、オークとの連携が必須なのは、もう基本の話。
効果が薄いと分かっていてもサンダーボールを撃ち、突破して来たリザードマンをオークの数で押し切る。
その戦い方をしている時点で、エルフは分かっているのだ、一対一の戦いではリザードマンに勝てない事を。
「このままでは、全てが終わってしまう。最初にリザードマンを召還したエルフは、もう一度、最後の賭けに出る」
「それがアフレクションネクロマンサーを、この世界に呼び寄せたのですか?」
リディが、リーフの問い掛けに大きく頷く。
「そうよ。そのエルフは、全く違う世界からアフレクションネクロマンサーを呼び出した。そしてエルフは、アフレクションネクロマンサーに相談したの」
「それで……そうか……それで、オークやドワーフ、サキュバスを召還したのですね」
遂に答えに辿り着いた。
この世界に一種類しかいないという答え、エルフだけが、この世界で生き残る権利があるという答え。
自分達が、この世界にみんなを呼び寄せたという罪があるけれども、それでも、この世界の種となる生命体はエルフ。
だから、リミィ様は……
「おかしい……」
自分の中で、姿を現した答えが霞んだ。
確かに、今の今までの話を聞けば、辿り着いたこの答えは間違っていない。
多くの命を虐殺して来たのは、エルフだけが生き残る事を許されているからと。
しかし、その答えには大きな間違いがあって、
「そう。よく気付いた。その導き出した答えは間違っている」
間違いに気付いた事を、レンスが褒める。
「お前が気付いた通り。もしも、リミィ様が、エルフこそがこの世界で生き残るべき存在だと考えていたのなら」
「エルフは殺さないし、他の種族と協力しない」
「そうだ」
レンスもまた、リーフの言葉に頷く。




