異世界のアフレクションネクロマンサー713
警戒心のないリディの仕草、敵意を感じさせない雰囲気。
争う気が無く、仲間として受け入れたいというのは、リーフも感じる事が出来たが、
「…………」
それでも、その手を握り返そうとはしない。
手を握れば、その時点で自分達はリディの軍門に下る事になる。
それは本国に対する裏切り行為で、街ごと根絶やしにされても文句を言えない……しかし、リーフが手を握らないのは、そんな事では無い。
「ふふっ、ごめんなさい。選択を間違えてしまいました。あなたに少しでも早く、仲間になって貰いたくて、気がそぞろになってしまったわ」
「そんな事は……」
早々に握手を求めてしまったと、おどけるように細い舌をぺろっと出して照れ笑いをしてから、リディは差し出した手を下げる。
「あなたが握手出来ない理由は、私達が無差別に虐殺をする事で良いのかしら」
「……その理由は知りたいです」
「そうね、説明しないといけな事ね」
リディは、周りの者達を見る。
ここにいるリザードマン、オーク、サキュバス、一人一人を愛しそうに、慈母のように見つめると、
「この人達も、私も死んで良い命なの」
「えっ?」
訳の分からない事を言い始める。
死んで良い命だから、それが殺す理由だというのなら狂っているが、その中にリディ自身も含まれていると言う。
それだけではチンプンカンプンで、何を言いたいのか分からないのに、
「リーフ、あなたは知っているかしら、この世界の人種が何人いるか」
「それは……」
それに輪を掛けて、さらに変な事を聞かれてしまう。
リーフは、何を聞かれているか分からなかったが、リディと同じように周りの者達を見渡し、
「鉄騎兵を種として認めるなら、ここにいないドワーフを含めて、六種の種族がいるでよろしいでしょうか」
死んだ者達の集合体である鉄騎兵を含めるなら、六種になるが、それが何に繋がるのかという話。
リディが何を言うのかと怪訝そうにすると、
「それは正解では無いわ」
「だったら五種ですか?」
死んでいる鉄騎兵を数に数えなければ、五種になるが、それこそ本当に意味が……
「答えなら、もう言ったわ」
「もう言った?」
「正解は、エルフの一種のみよ」
「一種のみ……?何を言っているのですか?」
本当に意味の分からない事を言い出す。




