表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1263/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー712

「…………」



リーフは、自分の中でぼんやりと浮かんだ事を思う。



リディを殺せば決着が付く、多くの者達の死が報われる。



残虐非道に殺された者達の仇、鉄騎兵に殺された母の仇……自分達の命と引き換えにすれば、凄惨(せいさん)な事が一つ終わる。



そして、リディを討ったとして父はそのまま将軍として召し抱えられる。



選択としては十分に問題無い……後は、自分達が死ぬ覚悟を決めるだけだが、



「それは…出来ません……」



「そう」



リーフの選択はノーであった。



昔の自分なら、この状況を千載一遇の機会だと迷う事無く剣を振り、リディを殺していたが、



(殉ずる覚悟……)



今の自分には、その選択肢を選んで殉ずる覚悟は無かった。



今の自分は、街の(おさ)の娘という肩書だけではない、今の自分は、アフレクションネクロマンサー。


ここまで礼人が自分の事を守ってくれたのは、リディを斬り捨てる事?



(そんなのは違う)



礼人が命懸けで戦って、自分が人でなくなっていく恐怖すらも跳ね除けて、必死に……必死にアフレクションネクロマンサーでいたくれた事が、リディをここで討つという事であると思えない。



「……リディ様、よろしいでしょうか」



「はい、どうなさいましたかレイン」



「はっ、あちらをご覧下さい。もう一人のアフレクションネクロマンサーは、アニーと共に休眠しております」



「目覚める事は?」



「いつ目覚めるかは分かりませんが……アニーさんの口ぶりで考えれば、かなりの年月を必要とすると思います」



「そう……彼ほどの逸材を失うのは、大きな痛手ですね」



レインも、リーフの答えの意図が分かっているのか、話を推し進めるために、もう一人のアフレクションネクロマンサーがどうなったのかを伝える。



するとリディは、レインからの知らせに動揺する事無く頷いてから、



「でしたら、あなたの……お名前を教えて頂けますか」



「リーフと申します」



「リーフさん、私達にあなたの力をお貸し下さい」



リーフにゆっくりと手を差し伸べるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ