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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
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黒い海43

考えようによっては大きな鯉は妖怪ではなく、神の遣いだと考える事も出来る。


礼人のやっていることは神の遣いに喧嘩を売るようなものかもしれないが、


「だとしても!!こっちだって救うためにここにいるんだ!!」


神の遣いかもしれない大きな鯉に喧嘩を売ってしまったとしても、こちらだって魂を還るべき所に送る、神の手伝いをしているのだ。


経文は確かに大きな鯉からの触手は自分達を守ってくれはしないが、黒い海からは憑りつかれてしまわないように守ってくれている。


それは神は中立でいるという証明。


もし、本当に礼人の行いが神に喧嘩を売り、罰当たりな行為ならば経文はその力をすぐにでも失って、黒い海に押し潰されているはずである。


神の遣いであるかもしれない大きな鯉と、子供を現世に連れ帰ろうとしている礼人は、神からすればどちらも有益な存在であり、それ故に一方を贔屓する訳にはいかないのかもしれない。


現世に子供を連れ帰ろうとする礼人、自分の中で溶かした黒い海をより効率良く還す為に子供を求める大きな鯉。


神が力を貸してくれなくても、邪魔をしてくることも無いならば、自分達の実力だけで生き残らないといけない。


礼人は黒い海を掻き分けながらも考える……後、一回使える力をどうやって使うかを……


さっき力を使って舞い上がった時、距離を半分開けることが出来たが、今いるのは二層目の半分……もう一度、力を使った所で一層目で追い付かれる。


(……始末したところで)


残された力、全てを使えば大きな鯉を始末出来るかもしれないが、それをした時には礼人は精神も体力も限界を超えてしまって気を失う可能性が高い。


そうすると、礼人の霊力を使って経文を通して神から力を借りているから、礼人が気絶してしまった場合でも、経文に残った霊力でしばらくは神から力を借りることが出来るかもしれないが、時間が経てばその力を借りられなくなるだろう。


そしてもう一つ、万が一なんらかの理由で気を失わずに済んだとしても、大きな鯉が神の遣いだったとして始末した時、神はそれを許してくれるだろうか?

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