異世界のアフレクションネクロマンサー708
白金のドラゴンと同じ、白金の翼。
それはアフレクションネクロマンサーを名乗るのに十分な力で、
「そうか……この世界のアフレクションネクロマンサーか……それは想像していないかった。あの者は、アフレクションネクロマンサーは異世界から来るという運命を狂わせたのだな」
リーフの力を認めたドラゴンは、白金の体から赤い体に戻す。
これで、アフレクションネクロマンサーになれるドラゴンと、対等に話が出来るというものであったが、
「なんで……」
「……?」
「礼人…なんで事したの……」
リーフは自分の力を封じ込まれた事に、ショックを受けてしまう。
自分がアフレクションネクロマンサーになれるまで、悪霊から守ってくれるように渡してくれたペンダントだが、実際はリーフの力を抑え込み、アフレクションネクロマンサー化出来無いように……
「何か勘違いしているようだが、それは間違い無く本物だぞ」
「本物?何が?」
こちらが受けているショックを察したのか、ドラゴンはビレーが持つペンダントを指差す。
「君はさっき、赤いモノの濁流に飲み込まれたが、憑り込まれなかっただろ」
「それが?」
「霊力を扱えるのなら分かるはずだ。赤いモノに触れる事がどれだけ危険な事か」
「あっ……」
あの時は夢中になって赤いモノに飛び込んだが、あの霊力が使えない状態で、赤いモノの濁流に飲み込まれるのは、精神を侵される自殺行為。
「これは私の推測になるが、そのペンダントは君を守る為に、強く干渉してしまったんじゃないか?」
「………」
それを言われると、心当たりがある。
ペンダントを身に付けていても、アルフア達に、アフレクションネクロマンサーの証明である翼を見せていた。
翼を広げられなくなったのは、赤い空が色濃く広がる場所に来きてからであって……
「君の中のしこりが消えたのなら、リディ様達と話をして欲しい」
「えっ?」
ドラゴンは、リーフの悩みを取り払うだけでなく、リミィ様の側にいると噂になっているリザードマンに会わせるという。
「我々の作戦は、君達の戦争のどさくさに紛れてアフレクションネクロマンサーを連れ去り、後方でリザードン達と戦っている仲間と合流。その後に後方のリザードマン達を殲滅して立ち去る。しかし、私が戻って来なければ、ここまで来る予定になっている」
「それは…教えて良いことなの?」
「あぁ、君達には、リディ様と会って話を聞いて貰いたい。もしも話が決裂したとしても、君達の命は私が保証する」
リーフの翼が、臆病風に吹かれて震える。
礼人が矢面に立っていた事を手助け無しで、アフレクションネクロマンサーとして自分がやらないといけない。




