異世界のアフレクションネクロマンサー702
「うむ…祖父も話だけで聞いたと言っていたが……ドラゴンを倒す為に、何百人ものオークが犠牲になったと……ドラゴンが手を振るえば、肉片がその場に飛び散り……ドラゴンが足を降ろせば、そこには血だまりがが出来て……ドラゴンが火を噴けば、そこには苦しみ悶えるオークの形をした炭が出来る……」
「それが…ドラゴン……」
「それと、話が通じる相手かどうかだが……あぁして、リーフを殺さずに連れて来ているという事は、話し合いの余地はあると信じたい……」
アルフアは、ビレーからの助言を聞き終えると、唾を飲む。
アフレクションネクロマンサーと出会ってから……違う、鉄騎兵という死の軍団と戦うようになってから、自分は、何か悪い夢の中に閉じ込められてしまったのではと、苦しむ日々が続いていた。
そんな嘘のような不死の存在に悩まされていた所に、風化した伝説のアフレクションネクロマンサーが現れて、不死の軍団を蹴散らす……まるで、夢物語のような出来事が起きて……こうなっては空から槍が降って来ても、ドラゴンという者が来たとしても腹を括れるというもの。
「……よしっ!!」
アルフアは気を入れると、一人ドラゴンの方へと前に出る。
ビレーが伝え聞いた事が事実なら、この瞬間に殺されるかもしれないが、
「私は将軍に代わって、この者達を預かっている副指揮官のアルフアと申します!!!!あなたが敵対するはずのエルフを抱いて連れて来たのは、我々と話し合いたいからだと考えています!!!!そして私は、話し合うつもりがあります!!!!」
現在、ここに居る者で最も位が高い者が出迎えをする事で、最大限の誠意を見せ、そして指揮を執る者が前に出る事によって、後ろの兵士達を動かす気が無いという事をアピールする。
無防備な姿、何かあれば誰も助ける来Tが出来ずに死んでしまうが、
『バサッ………バサッ……バサッ…』
「……初めまして、私はレインと申します。役職は……特にありませんが、私も、あなた達と話し合いをしたいと思っていました」
ドラゴンは、踏むだけでアルフアを潰す事が出来たが、そんな事はせずに距離を空けて、土埃を起こさないように、大地へと降り立つ。




